坪単価を理解する

広告や住宅雑誌をみても、まず目が行くのが坪単価ではないでしょうか？

ところで、坪単価って何でしょう？

もちろん、一坪が3.3平方メートルで畳二帖分の金額ということはお分かりでしょうが、私の言いたいことは、この坪単価は何の目安なのかということです。

例えば、「坪単価40万円」と広告に書いてあったとしましょう。

あなたが営業マンに

『本当にこの坪単価で家が建つの？』と聞くと

営業マンは

『もちろん建ちますよ！（住めるかどうかはわかりませんが...）』

(　)内の言葉を口に出すかは分かりませんが....

家は建つけど住めるかどうかわからないって...どういうこと？

その理由はこうです。

消費者と住宅メーカーでは、坪単価の意味合いが異なります。消費者にとっての坪単価は、建築工事に関わる全ての費用を坪数で割ったもの、つまり、「引渡し価格」です。

しかし、住宅メーカーにとっては建物の本体を建てる、「本体価格」という意味合いが強いのです。

つまり、カーテン・照明器具・エアコン等、さらには外構工事や外回りの附帯設備工事、現場経費なども入っていない場合もあります。

しかも、肝心の「本体価格」に、何を含み、何を含まないかはそれぞれの会社でマチマチなのです。

つまり、広告で表示されている坪単価は、住宅の価格のうち、どの業者が建てても変わらないであろう部分（構造体・基本仕様の内装、外装、設備機器など）の金額を表しているものであり、あなたの家づくりの総予算を知るうえでは、それほど重要な数字ではないということです。

ただ、まったく無意味なわけではなく「本体価格」であることを理解しておけば、家の価格を概算で把握する目安にはなるでしょう。

そういうわけで、坪単価にはいくつかのカラクリも隠されているので、何が含まれていて、何が含まれていないのか、きちんと確認する必要があります。